航空産業の環境変化要因(エアライン、航空機メーカー、Boeing、Airbus・・・など)

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今回は、エアラインの経営状況や航空機需要がどのような要因で変化するのか、整理してみました

第一に、景気環境が挙げられます。

特に、エアラインの収益はビジネスクラスなどの料金が高い座席の売れ行きに影響受けるので、いわゆる出張族の国内・海外出張が多い人達の利用(法人利用)が活発となる、景気が良い時にはエアラインの収益状況はよくなる傾向にあります。

また、旅客機の最大購入者で利用者であるエアラインの経営が好調となるので、新型機材への投資(最新鋭機種への入替)などの設備投資の意思決定も行われ、BoeingやAirbusなどの航空機メーカーの受注が増加し、結果、航空機産業全体の状況が良くなるのです。

 

でも、そこで安心してはいけません!

 

なぜなら、好景気の時は一般にモノの価格が上昇するのです。後ほど説明しますが、①航空燃料(原油価格)の上昇や、②航空機の需要が増加することで、航空機価格が上昇(需給による価格決定メカニズム)、③そして、金利上昇です。航空機は一機数百億円もする高価な買い物です、多くのエアラインは金融機関からの借入(借金)をして航空機を買うわけなので、この金利上昇と返済財源(キャッシュフロー)の確保もエアラインの経営に後から効いてくることが多いのです。

2010年のJALの経営破綻は、旧JASからの赤字路線の継承や社員の福利厚生を含む人件費などの高コスト体制が破綻の原因とされていますが、最終的には金融機関からの借入金が返済できず破綻したので、重要な要因なのです。

 

第二に、原油価格です。

エアラインが航空機を飛ばすために必要な、航空機燃料は原油から作られるため当然、原油価格が上昇すると、エアラインの収益は悪化します。

皆さんも数年前まで、車のガソリン代がいまよ高かったことを思い出しませんか?

実際、今の原油価格は1バレルあたり65.88ドル(WTI原油NYMEX、As of 2018/3/24)ですが、2012年以降原油価格は1バレルあたり100ドルを超えていて、航空料金に燃油サーチャージが加算されていたのを覚えていませんか?それも、結構高かったですよね。

 

今後も原油価格の上昇が予想されているので、燃油サーチャージの復活も現実のものとなっていますね。

一方で原油価格の上昇が、航空機メーカーにとっては最新鋭の燃費効率の良い(B737MAX、B787、A320neo、A350など)の受注に繋がるのです。

 

www.boeing.jp

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第三に、新興国の中間所得層の拡大と人口動態です。

ご存知の通り、中国やASEAN各国などの新興国の経済発展に伴い、各国では新たな中間所得層が拡大し、この中間所得層は消費指向が高く、旅客需要も高まっているのです。

中国では日本の人口(1.2億人)に匹敵する、中間所得層がすでに存在しています。

そのため、アジア各地や中南米などでも格安LCCが増加していることを考えると、一層の航空機需要の拡大が想定されています。

 

また、中間所得層を含む人口増により航空機を利用する潜在的な顧客が増加しているもの事実です。

 

最後:まとめ

次のような要因で航空産業が状況が変化するのです。

①景気環境

原油価格

新興国の中間所得層の拡大と人口動態

 

次回もよろしくお願いします!

 

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